ニ階建てリング制作「ブルートパーズ・モアサナイト」

今回は石枠を2つ重ねたシルバーの二階建てリングの制作です。
ボリューム感のある立体的なセッティングです。
ブルートパーズをメインに、モアサナイトが脇を飾ります。
ブルートパーズ 硬度: 8
モアサナイト 硬度: 9.5
ニ階建てリング制作工程
少し複雑で、工程が多くなりますが7つのステップで説明します。
各ステップの解説
ステップ1:メイン石(ブルートパーズ)の石枠ベース作り

銀の角線で石枠を制作:ロウ付け後、石の内側に合わせて精密に削り出します。

フィッティング:石に赤いインクを付け、接地点を確認しながら石のカーブに沿うように調整します。
ステップ2:二階建て構造の構築


このリングの最大の特徴である「立体感」を作る工程です。
爪のロウ付け:高さのある角棒を対角線上に配置し、1段目の枠に固定します。


2段目の枠(指馴染み部分)の制作:木台や当て金を使ってカーブを出し、1段目の下に隙間を開けて爪にロウ付けします。


腕との接地面を削り出す:リングサイズに合わせたカーブを石枠の下部に作り、一体感を高めます。

二階建ての石枠を仕上げました。
ステップ3:リング腕の制作と「二股」への割り加工


ボリュームのある石枠を支えるため、厚みのある腕を加工します。
真円出し:銀の角線でリングを作り、真円を出して磨きます。


二股加工:腕の先端を糸鋸で上下に割り、石枠がぴったりはまるよう「すり合わせ」を行います。


一部ロウ付け:下の石枠と内側の腕をロウ付けします。
すでにロウ付けした爪部分などは溶けないように砥の粉でカバーします。
ステップ4:脇石(モアサナイト)の石枠制作
メインを引き立てる脇石のパーツを準備します。


パイプからの削り出し:銀のパイプをカットし、石留めビットで座を作ります。


極細の爪を立てる:石枠の上下にはみ出すように銀線をロウ付けし、石の高さに合わせて調整します。最後に爪をななめに削ります。
ステップ5:全てのパーツの統合(脇石枠を本体ロウ付け)
「脇石枠」を本体にとりつけます。


パーツの配置と固定:二股に分かれた腕の上とメイン枠の間に、脇石枠が隙間なく収まるよう調整し、ロウ付けします。
表面の整え:はみ出たロウを削り、全体をヤスリで整えます。
ステップ6:隙間を埋める「唐草装飾」
二階建て構造によって生じた空間を、デザインとして昇華させます。


唐草パーツの制作:細い銀線をやっとこで巻き、小さな渦巻き状のパーツを作り、腕と脇石枠の間にロウ付けします。


装飾のロウ付け:左右の隙間に2個ずつ、どの角度からも美しく見えるよう配置して固定します。
ステップ7:石留めと最終仕上げ
いよいよ命を吹き込む最後の工程です。

下地研磨:精密ヤスリから紙ヤスリ、ルーターで研磨と順に細かくし、傷を完全に取り除きます。


石留め:脇石(モアサナイト)から留め、最後にメインのブルートパーズをタガネで慎重に留めます。爪を精密ヤスリで整えます。

最終バフ仕上げ:研磨剤を変えながら、鏡面になるまで磨き上げて完成です。
完成
ブルートパーズとモアサナイトのニ階建てリングが完成しました。
唐草デザインも加わり、時間がかかりましたが、ニ階建ての構造が軽さもありながらボリューム感のあるデザインで新しい発見でした。



シリコンの手のモデルで装着イメージを撮影しました。
長くなりましたが、ニ階建てリングの制作にお付き合いいただき、ありがとうございました。また次の制作を綴っていきたいと思います。
